2027年中学受験は併願の「常識」が変わります 東京の城北・都市大付属・攻玉社の入試変更をわかりやすく解説

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2027年中学受験は併願の「常識」が変わります 東京の城北・都市大付属・攻玉社の入試変更をわかりやすく解説

「2027年 中学受験 どうなる?」

「城北の入試が変わると聞いたけど、巣鴨との併願は大丈夫?」

2027年に中学受験を迎えるお子さんの保護者から、こんな声をよく聞きます。

実は2027年入試では、東京の男子校で大きな変更が重なります。城北は2月1日午後に「算数選抜」を新設し、人気だった2月4日の入試を廃止。東京都市大学付属はコースを一本化した結果、受験者が大きく増加。攻玉社は後半日程の算数1科入試に受験者が殺到し、実倍率が5倍に達しました。

これらはダイヤモンド・オンラインが2026年10月31日に公開した記事で紹介された内容で、いずれも2027年の併願プランに直接影響します。

この記事では、その内容をわかりやすく整理し、

・それぞれの変更がどういう意味なのか

・保護者は何に注意すればよいのか

・算数で受けられる入試が増えた今、国語の学習はどう考えるべきか

までお伝えします。

なお、本記事は前述のダイヤモンド・オンライン記事を参考に、中学受験国語の指導者である筆者の視点で考察したものです。出願の際は必ず各校の最新の募集要項をご確認ください。

まず押さえたい、2027年入試の3つのニュース


城北:2月4日の入試がなくなり、2月1日午後に「算数選抜」新設


城北の受験者数は近年増え続けています。合計では2024年が1,223人、2025年が1,269人、2026年が1,383人。人気の高まりを受けて、2027年入試では次のような変更が行われます。

・2月1日午前(4教科選抜1回)は、募集人数を約115人から約100人に減員

・2月1日午後に「算数選抜」を新設(募集約30人)

・2月4日の第3回入試を廃止

・1月5日に帰国生選抜を新設(募集約20人)

ここで注意したいのは、単に「入試が一つ増えた」という話ではない、ということです。

城北は2026年、2月4日の入試に339人もの受験者を集め、実倍率5.6倍という人気ぶりでした。その入試をあえて廃止して、難関校を受ける子が集中する2月1日午後に新たな枠を作る。つまり「後半日程で受験生を集える方式」から、「初日から算数のできる子を確保する方式」へ、学校が戦略を切り替えたと読めます。

新設される算数選抜は、四谷大塚の合不合80偏差値でAランク(65以上)相当として扱われています。一方、2月1日午前の4教科選抜はCランク(55~59)。同じ城北でも、入試回によって目指す層が違うのです。

保護者への影響は大きく2つ。

1つは、「城北を2月4日の安全校・併願先に考えていた家庭は、計画の立て直しが必要」ということ。もう1つは、「2月1日午後の算数1科の選択肢が増えた」ということです。

記事では、同じ2月1日午後に算数選抜を実施する巣鴨への影響も指摘されています。巣鴨の受験者数は2024年1,678人、2025年1,504人、2026年1,342人と減少傾向。城北の新入試が、巣鴨の算数選抜と受験生の奪い合いになる可能性があります。

ただし、「城北が増えたから巣鴨が楽になる」と早とちりは禁物です。実際、巣鴨の2月4日は受験者こそ減ったものの、実倍率は3.6倍から4倍に上がっています。受験者数と合格のしやすさは、必ずしも一致しないのです。

東京都市大学付属:コース一本化で受験者がV字回復


東京都市大学付属は2026年、従来の2つのコースを一本化しました。

・I類(難関国公立・私立大コース・2クラス)

・II類(最難関国公立大コース・4クラス)

→2026年から全クラスII類レベルの均等編成に

この一本化の結果、受験者数がこう変わりました。

・2024年:2,185人

・2025年:1,867人

・2026年:2,303人

2025年に落ち込んだ受験者数が、一本化と同時に前年より436人増。2024年をも上回るV字回復です。

ただし、ここで「成果」という言葉は丁寧に読む必要があります。確認できるのは「募集面の成果」、つまり受験者が戻ったということです。一本化した学年の大学合格実績がどうなるかは、まだ結果が出ていません。

また、受験者増をコース一本化だけの効果と断定することもできません。同じ2026年にコースを一本化した麗澤では、逆に受験者が2割強減っています。「コースを一本化すれば人気が出る」という単純な話ではないのです。

2027年の注目点はもう一つ。2月1日午後の第2回入試で、従来の国語・算数に加えて、算数・理科でも受験できるようになる点です。これは同じ世田谷区の東京農業大学第一の科目設定と合わせる動きとされています。

つまり、2月1日午後という同じ時間帯に、「算数で勝負できる入試」が選べる枠が増えるということ。城北の算数選抜新設と合わせて、算数が得意なお子さんの併願の選択肢が広がる変化です。

攻玉社:伸びているのは学校全体ではなく「2月5日の算数1科」


攻玉社は東京大学合格実績の伸びを背景に、上位校としての地位を固めつつあります。受験者数合計の推移は以下の通りです。

・2024年:1,011人

・2025年:881人

・2026年:1,202人

2025年に減少した後、2026年に大きく反発。この3年間を通じて見ると「毎年増加」ではなく「減った後に急回復」という形です。

中でも注目すべきは、2月5日の算数1科入試の変化です。

・2024年:受験者77人・実倍率3.1倍

・2025年:受験者107人・実倍率2.7倍

・2026年:受験者262人・実倍率5.0倍

受験者が前年の2.4倍以上に増え、実倍率は5倍に達しました。この入試は名称が「特別選抜算数1科(I・II)」から「A方式算数1科」に変わり、A方式(算数)とB方式(算数国語)で募集40人という設定です。

この数字が示すのは、「後半日程だから安全、と気楽に考えていた入試が、実はかなりの激戦になりつつある」ということ。同じ学校でも、日付と科目が違えば、競争の様子はまったく変わるのです。

3校の変更をまとめると


学校変更のポイント保護者が注意すべきこと城北2月4日を廃止し、2月1日午後に算数選抜を新設前年までの併願例がそのまま使えない都市大付属コース一本化で受験者が回復、2/1午後は算数・理科も選択可「成果」は募集面の話。教育面の結果はこれから攻玉社受験者が回復、特に2月5日算数1科が急伸後半日程=安全校という思い込みは危険

共通しているのは、「学校名と偏差値だけでは併願を考えられなくなった」ということ。同じ学校でも、4教科か算数1科か、初日か後半かで、難易度も競争も変わります。

算数で受けられる入試が増えた今、国語はどう考える?


ここからは、中学受験の国語を指導している立場から、お伝えしたいことを書きます。

城北の算数選抜新設、都市大付属の算数・理科選択の追加、攻玉社の算数1科の過熱。この流れを見ると、こう感じる方もいるかもしれません。

「算数が得意だから、国語は後回しでよいのでは?」

しかし、ここは2つに分けて考えるべきです。

1つは、得意科目を生かして、どの入試を受けるかを選ぶこと。もう1つは、受験全体として、国語をどこまで準備するかを決めること。

例えば「2月1日午前は4教科入試、午後は算数1科」という王道のプランを考えているなら、午後に算数を生かせても、午前の国語の負担が減るわけではありません。

逆に「国語の弱点を何とかしよう」と算数の演習がおろそかになるのも避けたいところ。得意科目で得点を積み上げる入試こそ、算数の失点許容枠は小さいのです。

私が大切だと考えているのは、国語をこう位置づけることです。

・国語で得点を積み上げる役割を持たせるのか

・国語で大きく崩れない役割を持たせるのか

このどちらを目指すのかで、6年生の残り期間に取り組むべき課題の優先順位はまったく変わります。ここを決めずに「とりあえず過去問を解く」のは、最も遠回りの勉強法です。

2027年入験の併願表には、偏差値以外の情報を


3校の動きから学べるのは、併願表を学校名の一覧で終わらせない、ということ。候補校を並べたら、次の5点を書き込んでみてください。

・受験日と、午前・午後の区分

・その入試回の受験科目(4教科か、算数1科か、算数・理科か)

・募集人数と、前年からの変更

・お子さんの得意・不得意との相性

・なぜ、その日の、その入試回を受けるのか

最後の「なぜ」まで説明できるかどうか。そこまで整理すると、国語を含む残りの学習で何を優先すべきかも、自然と見えてきます。

2027年入試の結果は、まだ誰にも分かりません。だからこそ、人気や倍率の予想に振り回されず、「変更された事実」と「お子さん自身の状況」を分けて考えることが、今の時期にできる最も確かな準備です。

保護者からよくいただくご質問


最後に、この変更についてよくいただく質問に、Q&A形式でお答えします。

Q1. 城北の算数選抜と巣鴨の算数選抜は、どちらが難しいですか?

2027年入試はまだ始まっていないため、確定的なことは言えません。ただし現時点で公表されている前提では、城北の新設算数選抜は合不合80偏差値でAランク(65以上)相当とされています。巣鴨の算数選抜も高偏差値帯の入試ですので、両者の難易差を前提にした「どちらかが楽」という計画は立てない方が安全です。最終的には各校の募集要項と、直近数年の合格実績データで確認してください。

Q2. 算数1科の入試が増えたら、国語の勉強は減らしてよいですか?

結論から言うと、減らしてよいケースはごく一部です。前述の通り、4教科入試と算数1科入試を組み合わせるのが一般的な併願プランです。国語が不要になるのではなく、「国語にどの役割を持たせるか」を決めることが重要になります。

Q3. 前年までの併願例はそのまま使えますか?

城北の2月4日廃止など、日程自体が変わる学校があります。2026年入試の実績表をそのまま2027年に当てはめるのは危険です。各校の2027年募集要項の公表後に、改めて併願表を作り直すことをおすすめします。

併願の「国語設計」を1から考えたい方へ


この記事では「入試がどう変わるか」をお伝えしました。

しかし保護者の多くが直面するのは、その先の問題です。

うちの子は国語で得点を稼ぐべきか、崩れないようにするべきか

算数1科の入試を併願に組み込むなら、国語の学習は何を優先するのか

2027年入試の変更を踏まえた、国語の過去問の使い方は?

これらの質問に具体的に答えるため、noteで有料記事を書きました。

「2027年中学受験 国語の役割を決める方法」

併願プラン別に、国語に持たせる役割をどう決めるか

得点源型と、大崩れ防止型、それぞれの学習の優先順位

算数1科入試の併願がある家庭の国語計画の立て方

を、実際の指導で使っている考え方をもとにまとめています。

この無料記事を読んで「うちの子の場合はどうすれば?」と思った方は、ぜひこちらもご覧ください。

→ 「2027年中学受験 国語の役割を決める方法」(note有料記事)


https://note.com/jusoosaka/n/n18387a81674f


また、パワー読解では首都圏・関西で、中学受験生の国語指導と速読・読解トレーニングを行っています。個別の相談も承っています。


https://osaka-sokudoku.jp/


2027年入試は、制度が変わる年です。変化を正しく知り、お子さんに合った準備を進めていきましょう。

※本記事は、ダイヤモンド・オンライン「攻勢を強める『城北』、コース一本化『都市大付属』の成果、続伸する『攻玉社』東京男子校の注目点【首都圏中学入試2027】」(2026年10月31日公開、森上教育研究所)を参考に、筆者の視点で考察したものです。記載の受験者数・実倍率は同記事によるもので、出願にあたっては各校の最新の募集要項を必ずご確認ください。



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